著者の吉越浩一郎さんは、トリンプ日本法人の元社長。「早朝会議」「完全ノー残業」「がんばるタイム」など、ユニークな仕事の仕方をトリンプに次々に導入し、かつ、19期連続の増収増益を達成(本書出版当時)したお方。
なぜ吉越さんは「ノー残業」を提唱しているかというと、本の帯にもあるように「夜の3時間を自分に投資するため」。その「投資」こそが、個人のみならず会社の付加価値や収益力をも高めるゆえ、企業も「ノー残業」に取り組むべし、というのが本書の内容です。
そのためには、ただ単に「早く帰りなさい」と定時になったらお尻をたたくだけではダメ。
残業をあてにしたダラダラとした仕事の仕方をを排除するには、徹底的に定時の間での効率を上げることが必要になります。そのための組織との長としての取り組みを、論理的に説いている本です。
私は特に「仕事はだらだらしない」「残業は行わない」という点を自身に取り入れたのですが、ここ2〜3ヵ月でちょっと考えるところ、というか「迷い」があり、改めて本書を手にとった次第です。
再読することで、今の自分の仕事の仕方の点検をしようと思って。
そこでやっぱりありました。「はっ」とさせられた部分。
やることの「優先順位」は必要ない。
仕事術をある程度かじっている人ほど
「やるべきことのたな卸しとABC分析を行ってから、仕事に着手しよう」
と、してしまいがちです。また、そうすべきと仕事術の本などに書かれていることも多いです。
ところが吉越さんは
「優先順位を考えたり、スケジュール表を作ったりするひまがあるなら、その間に仕事の一つも片づけたほうがいい」
と仰っています。
確かに私の一日を分析すると、仕事のたな卸しにかなりの時間を割いています。また、仕事のたな卸しをしすぎると、知らず知らずのうちに自分のやりたくない仕事を後ろに持っていってしまうことが多いです。そして、そういったやりたくない仕事は、往々にして問題を孕んだ案件であることが多いものです。そして問題を孕んだ案件は、後になればなるほど問題解決が厄介になり、かえって仕事が長時間化します。
再読して私が気づいた一番の大きなポイントはここでした。
もちろん一日のスケジュールを確認し、やるべきことの見落としがないか確認する必要はありますが、過度の「仕事のたな卸し」は逆に仕事の進行もスピードも妨げます。
そこで今の仕事のやり方にプラスして
「気の乗らない仕事を出来る限りその日の最初のうちにやる」
「その後で『ごほうびタスク』(好きな仕事)をやる」
「基本的に仕事は先入れ先出し法(受けた順)でやる」ことを、意識的に取り入れるようにしてみます!
吉越 浩一郎
日本能率協会マネジメントセンター
2007-12-22
※本書の中の、吉越さんの言葉
本来のポテンシャルから見れば、今の五倍のスピードで仕事が処理できても不思議ではないと私は思っています。
過労死の原因は明らかに過度の残業ですが、正規の勤務時間における仕事の密度をいくら濃くしても、それが過労死につながることは絶対にありません。体力とは関係ないのですから、安心してください。
は、数年前読んだとき、衝撃的でしたね〜。
以来、集中力が途切れそうになると
「集中し過ぎて死ぬことはない…」
と呪文のように唱え、自分にハッパをかけるようにしています(^_^;)集中、集中!
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