
https://akirako.jp/
引き続きお読みくださるという方は、お手数おかけいたしますが、新ブログをブックマーク、もしくは、リーダーに登録して頂けましたら嬉しいです。こちらのブログ(ライブドアブログ)は更新はしませんが、残しておきます。
ご訪問、ありがとうございました。
料理は簡単なほど美味しい―食べる悦び・つくる楽しみ(三宅菊子)〜読めば料理が作りたくなる、食べたくなる。元気が出る本です。
古本屋さんで見つけた1982年の本。
著者の三宅菊子さんの、知識の引き出しの深さを感じさせるだけでなく、軽妙でユーモラスで小洒落た文章。読んでいるだけで食欲がわいてくるし、料理を作りたくなります。書かれた時代が1980年代というのが納得。その時代の空気を思い出す、前向きで明るく、元気がでる本でもあります。

著者の三宅菊子さんの、知識の引き出しの深さを感じさせるだけでなく、軽妙でユーモラスで小洒落た文章。読んでいるだけで食欲がわいてくるし、料理を作りたくなります。書かれた時代が1980年代というのが納得。その時代の空気を思い出す、前向きで明るく、元気がでる本でもあります。
内容は、著者のレシピ本です。
素人が料理を美味しく作るのに必要なことは、技術よりも、調理の基本を知り・食材を知り・その調理法や他の食材との相性を知り・何よりも食べることに貪欲で・食べることを楽しむ姿勢なのだと改めて感じさせてくれます。
で、登場するレシピの数々が、ほんとうに大雑把すぎるほど大雑把。
でも、簡単な料理でも、そこはかとなく品や知性を感じさせると思ったら・・・
「母は評論家の三宅艶子(つやこ)さん。夫は2009年に死去した松川事件の佐藤一・元被告。雑誌「an・an」「クロワッサン」などでライターとして活躍。作家・宇野千代さんの聞き書きのほか、料理や生活関係の本を執筆した。」
素人が料理を美味しく作るのに必要なことは、技術よりも、調理の基本を知り・食材を知り・その調理法や他の食材との相性を知り・何よりも食べることに貪欲で・食べることを楽しむ姿勢なのだと改めて感じさせてくれます。
でも、簡単な料理でも、そこはかとなく品や知性を感じさせると思ったら・・・
「母は評論家の三宅艶子(つやこ)さん。夫は2009年に死去した松川事件の佐藤一・元被告。雑誌「an・an」「クロワッサン」などでライターとして活躍。作家・宇野千代さんの聞き書きのほか、料理や生活関係の本を執筆した。」
「三宅菊子についてふれるには、そのおばあさんにあたる三宅やすこに までさかのぼる必要がある。
三宅やす子は京都の師範学校校長の娘で、お茶ノ水高等女学校を出て、夏目漱石にも師事した才媛であった。」
母娘三代にわたり情熱的な才媛。やはり「聡明な女は料理がうまい」のかな?
→で、おいしいものを食べたい、とか、料理をおいしく作ろうということも「エネルギー」だと思うわけです。
→ローマイヤーさんの味には、ドイツの家庭料理の伝統みたいなものを感じます。長い年月の中で培われたものの中から整理して選択した、というような。(P.41)
→すべてに共通して言えることは、ザッと切ってドスンと出すのではなく、いちばん似合うお皿に大切にのせて出すべきだと思うのです。(P44.)
→ヘミングウェイのニック・アダムスがするような、焚火で焼く魚が美食中の美食だと思っています。海女や漁師の焼き方も同じです。ラフに、豪快に、でも優しい。(P.59)
→こういう技術のコツは、結局は何回も失敗して覚えて行くより仕方がないのでしょう。(略)面倒くさがらずに挑戦し続けようと思います。だって、うちでうまくできたときのワラビの味といったら――山菜そばだと山菜漬だのに入ってる、水煮の味なんかと比べるのもおかしい、ほんとに素敵な味ですもの。(P.89)
→(美味しい味噌汁の作り方)味噌を煮立てないように、(これだけは絶対に気をつける)あと、最後に日本酒を一滴落とす。(P.100)
→里芋の煮っころがしに代表される"おふくろの味"を作れる女が少ない……と、甘ったれ男たちが嘆いてます。
→ほんとにときどきですけど、思いっきり高価な牛肉を買ってみます。わるいことをしてるような、またはカルチエの指輪でも買うような(これも実際は買ってない)ドキドキする楽しさがあります。値段を知ると食欲が減るでしょうから、100g何千円だったなんてことは、主婦のヒミツとして、直ちに忘れるようにしていますが。(P.138)
→(クルトン)これがなかなか難しい。要は細かく切ったパンを油で揚げるだけなのに――素人の作はどうしても油っぽい。むしろ残って乾いてしまったパンをトースターで焼いて、手で砕いたほうがいいみたいです。(P.173)
→おいしい、ということは材料がよくて作り方・味つけが上手、なだけでは足りないと思います。盛りつけとか食卓の並べ方も大切でしょうが、もっと根本的に、シックな大人の精神、みたいなものがないと……。(P.191)
■あなたは食いしん坊ですか
→で、おいしいものを食べたい、とか、料理をおいしく作ろうということも「エネルギー」だと思うわけです。
とにかくこのエネルギーを持ち続けたい。(略)
食いしん坊なら料理はいつかは上手になれる、と私は信じてるのです。(P.10)
■1 サラダとピックルス
→ローマイヤーさんの味には、ドイツの家庭料理の伝統みたいなものを感じます。長い年月の中で培われたものの中から整理して選択した、というような。(P.41)
■2 切るだけ料理
→すべてに共通して言えることは、ザッと切ってドスンと出すのではなく、いちばん似合うお皿に大切にのせて出すべきだと思うのです。(P44.)
■3 海の幸いろいろ
→ヘミングウェイのニック・アダムスがするような、焚火で焼く魚が美食中の美食だと思っています。海女や漁師の焼き方も同じです。ラフに、豪快に、でも優しい。(P.59)
■4 菜っぱ、葉っぱ、煮もの
→こういう技術のコツは、結局は何回も失敗して覚えて行くより仕方がないのでしょう。(略)面倒くさがらずに挑戦し続けようと思います。だって、うちでうまくできたときのワラビの味といったら――山菜そばだと山菜漬だのに入ってる、水煮の味なんかと比べるのもおかしい、ほんとに素敵な味ですもの。(P.89)
■5 出し、お吸いものと鍋もの
→(美味しい味噌汁の作り方)味噌を煮立てないように、(これだけは絶対に気をつける)あと、最後に日本酒を一滴落とす。(P.100)
■6 温かい野菜のおかず
→里芋の煮っころがしに代表される"おふくろの味"を作れる女が少ない……と、甘ったれ男たちが嘆いてます。
あんなの簡単なんだから、男も自分で作ればいいのに。(P.119)
■7 肉と卵の料理
→ほんとにときどきですけど、思いっきり高価な牛肉を買ってみます。わるいことをしてるような、またはカルチエの指輪でも買うような(これも実際は買ってない)ドキドキする楽しさがあります。値段を知ると食欲が減るでしょうから、100g何千円だったなんてことは、主婦のヒミツとして、直ちに忘れるようにしていますが。(P.138)
■8 スープと煮込み
→(クルトン)これがなかなか難しい。要は細かく切ったパンを油で揚げるだけなのに――素人の作はどうしても油っぽい。むしろ残って乾いてしまったパンをトースターで焼いて、手で砕いたほうがいいみたいです。(P.173)
■9 主食風のもの
→おいしい、ということは材料がよくて作り方・味つけが上手、なだけでは足りないと思います。盛りつけとか食卓の並べ方も大切でしょうが、もっと根本的に、シックな大人の精神、みたいなものがないと……。(P.191)
■10 デザートお菓子やパン
→キューリー夫人は、ウランやラジウムの化学データだけでなく、毎日作ったおかずのレシピも詳細にメモしていたそうです。(P.208)
大上段に言ってしまえば、何を好んで食べるかがその人の哲学と思想と人生観なんですよね。 — 2ページ
※ブログランキングに参加しています!
この記事を書いた人:木村聡子(きむら・あきらこ)

コメント