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TRUCK NEST(TRUCK)を読みました!〜ウソの無い家具をという気持ちが、新工房作りの姿勢にも表れている素敵な家具屋さん
私の大好きな大阪の家具屋さん・TRUCKが、新しい工房兼ショップ兼自宅そしてカフェを作るまでの物語です。家具のスタイルブックとしても読み応えある一冊です。
美しい写真とのびのびした文章を読んでいるだけでも楽しいのだけど、ため息がでるのは、土地を探し、建設にとことんかかわり、樹を探し・・・その追求の厳しいこと、真剣なこと。それは自身の家具作りの姿勢そのものです。
多くの人がなぜTRUCKの家具に憧れるのか、その理由が徹底した「ウソの無いものづくりを」という姿勢にあることが、読んでいてわかります。それが、新工房兼ショップ兼自宅作りにも表れているのです。
果たして、自分はプロフェッショナルとして、ここまで偏執狂的に、品質を追求しているだろうか…。と、恥ずかしくなります。
「いいですね〜、TRUCKさんは。家具作りに何ヶ月もかけて、しかもその家具がお高い価格で売れるから」
と何も知らない人は言うことだろうけど、その裏にはどれだけ血のにじむようなこだわりと、それを極めたいという強い気持ちがあることか。
物欲のかたまりみたいで何ですが、私の夢はオフィスと自宅の家具を、いつしかぜんぶTRUCKにすること。彼らの家具は大量生産しないし、お値段もどちらかというと高いし、この夢を達成するのは少しづつ…ゆっくりとでなくてはいけないし、まだまだ私にはその財力は無いけれど。それでもいいんだと思う。TRUCKが時間をかけて「NEST」を作り上げていったのと同じように。じっくり自分の巣を完成させるのを励みに、仕事をして行こう。
■ オーストラリア・ヌーサへ
→マギーは教えてくれた。巣を英語でNESTということ。そして、オーストラリアでは、赤ちゃんを身ごもったお母さんの大きなおなかもNEST。生まれてくる赤ちゃんを心待ちに肌着などを用意するのもNEST。あったかい寝床からそっと抜け出した後のこんもりとした布団、さらに、家の中に心地いい場所を設えること、などの意味があるらしい。家具を作っている自分たちが考えていることにピッタリな言葉だ。(P.014)
■ NEST
→トムの家、ジョンの家、それぞれの使い込まれた、誰に見せるためではなく、自分たちが心地いい、そんなNEST。自分たちもそんなNESTが欲しいと思った。(P.048)
■ ABOUT TRUCK
→売るための商品作りをする。数字が先にくるもの作りが一番コワイ。やりたくない。(P.061)
■ 僕のこと
→「働き者で力持ち。ピカピカに磨くんじゃなくて、どろんこが似合う。まさにとりんこにピッタリ!!」と言った。そしてTRUCKに決まった。家具には全く関係ない。(P.082)
■ 私のこと
→お片付けが流行るこの頃だが、基本的に捨てたいものは家にはない。(P.090)
■ 土地探し
■ 旭区新森
→ひりんこと僕は決してイケイケには(特に数字的なことでは)考えない。常にどちからといえば控えめにしか考えない。右肩上がりの商売なんて計算しない。(P.108)
■ 家と店を考える
→オートイバイとか車の性能は気にしたことがあったけど、家にも性能!いずれにしても性能が高いのはカッコいい。性能が高いと、ちょっとのエネルギーで冷暖房ができる。(P.126)
■ 着工から上棟
→これから先ずっと暮らしていく場所。子供も育っていく場所。そして何より、もの作りをしていく場所、裏の裏まで言い訳やウソのない家具を作ってきた。これからもそこが一番大事と思っている。その全ての基盤になる建物の基礎。それが、いい加減に作られた、またはウソで固められたようなものの上では絶対にやっていかない。強くそう思った。そんな上ではこれからの将来は考えられない。譲れない。(P.139)
■ 樹を考える
■ 団地の樹、救出作戦
■ 樹を植える
→植栽のために、こんな大きな建物の足場を2回も組むなんてたいそうなこと。もちろん費用もかかる。でも、何が大事か。(P.186)
■ 家と店を仕上げる
→そうやって思いを入れていくのって大事やんね(P.206)
■ 家の引っ越し
→よくここで頑張ったんやなぁと、13年分の思い出がいたる所にある。でも、すごく遠い記憶にも感じる。そんなもの全てをギュッと集めて大事に持って外に出た。(P.241)
■ TRUCK、Birdオープン
→店の引っ越しも安心してみんなに任せることができた。自慢のスタッフが揃っている。(P.270)
■ Bard Paper
→カフェがやりたかったのではない。衣食住を提案したいとかでも全くない。提案なんてしたことない。本当は、畑違いの飲食店の経営なんてしたくなかった。ただ、わざわざ来てくれるお客さんに、ちょっと座ってもらえる場所が欲しかった。(P.07)
■ TRUCK NEST
→特にすぐ使い道がないものでも、好き!って理由だけでストックしているいろんなもの。それだが申し合わせたかのようにピッタリとはまって、店作りやカタログ作りに生かされる。(P.339)
■ 町の樹、落ち葉
→ロンドンの街。落ち葉をゴミとは誰も考えていないのかなと思った。落ち葉を掃いている人なんて見なかった。(P.341)
■ 庭の鳥たち
■ 住んでから
→庭のポーチにガラスの屋根をつけて、デーブルも置いた。人が来て、そこにある椅子でコーヒーを飲みながら話す。気がつくと、すでに3時間。風に樹が揺れる。気持ちがいい。コーヒーがワインに代わり、夕方の時間、空の色がゆっくりと移っていく。
これがやりたかったこと。(P.377)
■ あとがき
→純粋に自分たちが「いいやん!」と思えるものを作りたいだけ。その延長で、大きさで言えば家具より遥かに大きな建物を建てたり、樹を植えたりしたけど、根本の気持ちは同じ。いつも1%でも良くしたいと思う。
家具でも、もちろん同じ。まして、それを好きと思って買ってもらえるなんて幸せなこと。だから少しでもいいものにして渡したいと思っている。買ってもらった人の相棒としてずっと使ってもらえたら嬉しいし、使ってもらえるものにしておかないといけない。(P.394)
裏の裏まで言い訳やウソのない家具を作ってきた。 ― 139ページ
この記事を書いた人:木村聡子(きむら・あきらこ)

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