キムラボ〜税理士 きむらあきらこ(木村聡子)のセルフコントロール研究所

「あなたの1日は27時間になる。――「自分だけの3時間」を作る人生・仕事の超整理法」(ダイヤモンド社)著者で税理士の木村聡子(きむら・あきらこ)がお送りする、バーチャルな研究所。時間・行動・お金のセルフコントロールに関する情報を中心にお届けしています!おそらく、日本で一番年間移動距離の長い、旅する税理士でもあります。

このたび、新しいブログを立ち上げました。今後はこちらで更新をしてまいります。
 https://akirako.jp/
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kimutax通信 > 読書感想文

松浦弥太郎さんは、元・暮しの手帖編集長というイメージが強いけれど、もともとは本屋さん。



「最低で最高の本屋」の「本屋」は松浦さんの「本業」そして「最低で最高の…」というフレーズは高村光太郎の「最低にして最高の道」からきています。


 「最低にして最高の道」とは?その問いを胸に、この本を読んでみた。

最低と、最高。美しいことと、きたないこと。悲しみと、喜び。強さと、弱さ。

そういった誰の中にもある両極と正面から向かい合うことで、自分の活かし方は分かってくる。社会との関わり方が見えてくる。

そして、そういった「最低で最高の」自分を模索し葛藤していく過程で、社会の中での自分の役立て方がわかってくる。——私のこの本を読んだファーストインプレッションはこんな感じ。

でも、再読する折々で感想はどんどん変化しいきそうだ。散文としても面白いし、旅行記としても、読めるし。でも本質は「仕事とは」「働くとは」という本。

だって、本ののっけから「就職しないで生きるには」ときたもんだ。働くとは組織に属す(会社に就職する)ことではない。では、生きていくにはどうすれば良いのか。それに対する松浦さんのこの本を書いている時点での自問自答が、読んでいてじんわりくるエッセーに散りばめられている。

まぁ、何も考えずに読んでも、ふつうにイケる。面白い。


■ 序章

→就職しないで生きる方法は、どんな方法なのかと問われたら、こう答えます。絶対に諦めないこと。自分がいちばん得意とする何か。他人が喜んでくれることで自分もうれしくなる何か。いちばんにはなれないけれど自分にはこれしかできない何か。(P.11)


■ エムカンとは

→店を持たずに本屋を成り立たせる、インターネットなどない頃です。そのためにまず、僕が決めたのは「思いついたことはすべてやる」ということです。(P.33)


■ 自由について

→正しいことの指針は、誰かがそれで悲しむか悲しまないか。(P.67)


■ 書くこととつくること
 
→文章を書こうと志している人にほんの少し言えるのは、文章の上手下手はあまり関係ないということです。文章のなかにどれだけ真実があるかとか、親切があるかということのほうが大切だと思う。(P.93)


■ 最低で最高ということ

→ただ自然に成長することってないんだと思います。(P.124)


■ スタンダードと新しいこと

→僕達の目的は「続けること」です。僕も小林さんもせいぜいあと三十年くらいしか生きられないと思うし、カウブックスをずっと育てていくことはできないんです。三十年でできることってたかが知れてますしね。だったらその三十年をリミットにするのではなく、もっと先を見据えていけば自分達の理想を大きくすることができる。(P.146)


■ グッディ!地図は自分で歩いて作る

→誰かに連れられて歩くことほど不幸なものはない。(P.153)


■ 対談 就職しないで生きるには―岡本仁×松浦弥太郎

→前書きに、レイモンド・マンゴーにとって昔は憎むべき対象だった仕事が、今となってはいちばんの遊びになったと書いてあるんだけど、この本が言いたいのはそういうことなんだと思いましたね。(P.249)
 

最低で最高の本屋 (集英社文庫)
松浦 弥太郎
集英社
2009-10-20




自分で見つけた本に自信があったから、頭下げてまで売りたくはなかったんです。 ー 36ページ
 

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この記事を書いた人:木村聡子(きむら・あきらこ)

木村聡子
年間移動距離日本一(推定)の旅する税理士。ビジネス書作家。バブル崩壊をきっかけに、1993年(27歳)資格取得を決意。フルタイムで働きながら、実務経験ゼロ簿記知識ゼロからスタートし短期間で税理士試験合格。1998年(31歳)税理士登録。2000年(34歳)木村税務会計事務所創設。ブロガー税理士の草分け的存在。資格取得時に身につけた仕事術・時間術を駆使し、セミナー講師や広島カープの応援で日本全国を駆け回る。実務誌ほか執筆実績多数。著書に「注文の多い料理店の消費税対応」(中央経済社)、「あなたの1日は27時間になる。」(ダイヤモンド社)。


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