キムラボ〜税理士 きむらあきらこ(木村聡子)のセルフコントロール研究所

「あなたの1日は27時間になる。――「自分だけの3時間」を作る人生・仕事の超整理法」(ダイヤモンド社)著者で税理士の木村聡子(きむら・あきらこ)がお送りする、バーチャルな研究所。時間・行動・お金のセルフコントロールに関する情報を中心にお届けしています!おそらく、日本で一番年間移動距離の長い、旅する税理士でもあります。

このたび、新しいブログを立ち上げました。今後はこちらで更新をしてまいります。
 https://akirako.jp/
引き続きお読みくださるという方は、お手数おかけいたしますが、新ブログをブックマーク、もしくは、リーダーに登録して頂けましたら嬉しいです。こちらのブログ(ライブドアブログ)は更新はしませんが、残しておきます。
ご訪問、ありがとうございました。


所得税 > 所得の種類と課税のしくみ  その他国税 > H24年度税制改正

「この1月1日から、あなたが知らないうちに始まっている税制改正」シリーズ。ここまでは、

この1月1日から変わった税金(1)役員の退職手当
この1月1日から変わった税金(2)復興特別所得税と源泉徴収
この1月1日から変わった税金(3)給与所得控除の頭どめ

と、納税者にとってあまり嬉しくない(負担が大きくなる)改正のご紹介でした。
で、今回は、納税者には悪くない話のようですが、さて…。


(図表)H25年からの給与所得控除
KIM blog-1 130105


4つ目の改正は「特定支出控除」の見直しです。

■ まず、昨日の話のおさらいから

給与所得者の税金の計算の仕組みのおさらいです。昨日の話が理解できていらっしゃる方は、読み飛ばして頂いて大丈夫です(^o^)

給与所得に対する税金を計算する際は、ダイレクトに給与収入に税率を掛けるわけではありません。給与収入から「給与所得控除」
という概算経費※を引いて、課税対象となる給与所得の額を計算します。H25年からは上の図の式による給与所得控除額を、給与収入から控除することになります。

※概算経費とは
「実際に経費がいくらかかったかとは関係なく認められる経費」です。


■ 特定支出控除とはどんなものか

この給与所得控除、「給与所得者も色々と必要経費はかかっているでしょうから、これを概算的に計算し、控除できるようにしてあげましょう」という趣旨によるものです。

でも、
「私は給与を稼ぐため、給与所得控除以上に経費をかけている!」
という方もいらっしゃるかもしれませんね。

そこで給与所得者にも事業をしている人と同じように、一定の場合には実額経費で所得を計算することも認めてあげようということで、「特定支出控除」という制度が設けられています。


■ 今までの特定支出控除

では去年までの改正前特定支出控除は、どのような制度だったのでしょうか?

まず、計算方法ですが、給与所得者が支払った一定の支出(特定支出)が、給与所得控除(概算経費)の額を超えるとき、その超えた金額を給与所得控除額に上乗せできるという制度でした。
KIM blog-2 130105

たとえば年収400万円の場合、給与所得控除は134万円です。
特定支出の額が134万円を超えれば適用を受けたほうが有利というわけです。

しかし、勤務に要した費用が経費として、何から何まで認められているわけではありません。「特定支出」という名前からもおわかりのように、その支出については次のとおり限定列挙されていました。
1)一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
2)転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
3)職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
4)職務に直接必要な資格(弁護士、公認会計士などの資格は除きます)を取得するための支出
5)単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
この表現を見てもわかるとおり、いずれも「通常必要な」とか「職務に直接必要な」とかいう条件がついていています。何やらハードルが高そうです。

しかもこれらの支出は、給与を支払う者(会社)が証明したものに限られ、確定申告の際、特定支出に関する明細書・給与の支払者の証明書を申告書に添付するとともに、搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類を申告書に添付、または、申告書を提出する際に提示しなくてはなりませんでした。

あと、4)のカッコ書きのように、比較的費用が高額になりそうな専門性の高い資格の取得費用は、特定支出として認められていなかったのです。

このように、特定支出の範囲は非常に限定されていて、しかも、書類の添付等のハードルが非常に高い上に、特定支出が給与所得控除額を超えるケースはまれなので、今までこの制度を利用していた人は、年間平均数名しかいませんでした。なんと、平成7年や平成9年などは利用者1名・・・。日本の税の優遇措置の中で、おそらく最も使われていない制度だったのではないでしょうか。そういった背景から、今回の改正が行われたのでした。

おっと、かなり長くなってしまいましたので、ここで区切ります
明日は、今年からどう変わったのか、お話しいたしますね。




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φ(..)今日の税理士事務所のぶつぶつ

昨日の続きですが、サラリーマンはどうして、給与所得を計算するときに原則が概算経費なのでしょうか?

きてぃくんは、どうしてだと思う?

・・・わかった!!確定申告の時期、領収書もってきてサラリーマンが一斉に税務署に申告相談に押しかけたら、迷惑だから!

うーん・・・いちおう立法趣旨としては
・担税力の調整
・所得補足率の調整
・早期納税の金利調整
などと言われているよ。

は!?難しくてわけわかりませーん。た、担税力?

担税力ってのは「税金を負担することができる力」ということだけど、サラリーマンは雇用関係に不安定性があり、また、勤務に際して空間的・時間的拘束を受ける等の負担を余儀なくされていて、事業所得や資産所得より担税力が相対的に小さいと。だから、便宜をはかってあげましょうということだね。

所得補足率の調整とは?

給与所得はほぼ完全にその金額が税務署に捕捉(把握)されるのに対して、申告により納税する他の種類の所得は、必ずしもそうではないとして、その格差を給与所得控除で調整しようというものだよ。

早期納税の金利調整とは?

確定申告を行って納税する事業所得等に比較して、給与所得は源泉徴収により納税を早期に行っている。そこで、源泉徴収がなされなければ得られたであろう金利相当分を税負担から軽減するため、給与所得控除で便宜をはかってあげようということだね。

なんだか、今日はぶつぶつのコーナーのほうがむづかしくありませんか!?ふまりサラリーマンは。。。いろいろ理由をつけて。。優遇されているってこと…れすかね。。。むにゃむにゃ

そうだね。それがかえって課税上不公平ではないかって議論があるんだよね。
特定支出控除の改正は、サラリーマンもオール実額経費となる布石だったりして・・・。あれ?きてぃくん?聞いてる??

zzzZZZZ

(*´ェ`*)今日のカフェ

本日のカフェはこちら。

写真 2013-01-04 18 14 22

Bar KURA

ん?カフェじゃないって?
そう、ここはBARですが、
冬の間、とっておきのショコラショーが飲めるんです。

写真 2013-01-04 18 36 51

これにラムだのウイスキーだのブランデーだのを入れて呑むのが、ここでは正しい呑み方なのですが、リクエストでアルコール抜きのショコラショーも作っていただけます。

これが、こっくりしていて、ほんとうに美味しい!

そして、ココアではもう満足できなくなるくらい濃い!これを飲んだあとは(^_^; 身体がカッカカッカして興奮状態になります。カカオ(チョコレート)がネイティブアメリカンの間では強壮剤だったということが、うなずけます。

写真 2013-01-04 18 38 31

これからの時期、さぁ仕事をもう一踏ん張りというときに
気付け薬代わりにいいかもしれません。

いや、単純に、ビバレッジとしても超美味しいんですけどね♪

ただし、調べたら…
これ一杯で500kcalくらいあるらしい。
飲んだ日は、一食抜きですね




この記事を書いた人:木村聡子(きむら・あきらこ)

木村聡子
年間移動距離日本一(推定)の旅する税理士。ビジネス書作家。バブル崩壊をきっかけに、1993年(27歳)資格取得を決意。フルタイムで働きながら、実務経験ゼロ簿記知識ゼロからスタートし短期間で税理士試験合格。1998年(31歳)税理士登録。2000年(34歳)木村税務会計事務所創設。ブロガー税理士の草分け的存在。資格取得時に身につけた仕事術・時間術を駆使し、セミナー講師や広島カープの応援で日本全国を駆け回る。実務誌ほか執筆実績多数。著書に「注文の多い料理店の消費税対応」(中央経済社)、「あなたの1日は27時間になる。」(ダイヤモンド社)。


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