なぜ「合計所得金額」について詳しくお話ししているかと言いますと、扶養家族の判定などに使う個人の税務にとってとても重要な概念なのに、あまり正確に理解されていないと感じたからです。
退職金をもらっていたら、退職所得をプラスして判定
前編でお話ししたとおり、「合計所得金額」は、確定申告書で言うところの��の額(申告書Bの場合、申告書Aだと�ァ砲任后�ところが、この��の金額にプラスして「合計所得金額」を考えなくてはならないケースがあります。
それは、退職所得と山林所得があった場合です。
とはいえ、山林所得とは、山林を伐採して譲渡したり立木のままで譲渡することによって生ずる所得ですから、超レアケースだと思います(私も実務でまだ経験したことがありません)。ですので、ここは退職所得に絞ってお話しします。
退職所得とは、勤務先から受け取る退職手当などのことです。この退職所得は、次のように計算されます。
退職所得
(収入金額(源泉徴収される前の金額)−退職所得控除額※)×1/2=所得額
※退職所得控除額
・勤続年数20年以下の場合は40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円)
・勤続年数20年超の場合は800万円+70万円×(勤続年数−20年)
(この退職所得は分離課税といって、総合課税の給与や年金とは別の「分離課税用・第3表」という様式で所得や税額が計算されます。それゆえ、確定申告書の申告書Bの��(申告書Aだと�ァ砲里箸海蹐法�退職所得の額は反映されません。)
あなたの配偶者や親族に退職金収入があったという場合には、(前編)でお話しした金額に退職所得の額をプラスして、「合計所得金額」が38万円以下かどうか判定するようにしましょう。
不動産を譲渡していたら、譲渡所得をプラスして判定。ただし、特別控除前の金額で!
退職所得と同様に、不動産を売却し分離課税の所得が発生している配偶者や家族については、それらの所得もプラスして「合計所得金額」が38万円以下かどうか判定しましょう。
ただし、不動産の譲渡所得の計算について、所得を減額する「特別控除」を使ったときは、その特別控除額は考慮せずに、「合計所得金額」の判定をします。
たとえば、あなたの配偶者や親族がマイホームを売って、譲渡所得2,000万円を得ていたとしましょう。「3,000万円特別控除」を使うことでこの譲渡益には課税はされませんが、「合計所得金額」の計算の際には、特別控除をする前の譲渡所得2,000万円を用いて判定します。
(そうすると、扶養から外れてしまうことになりますね。)
株式投資で配当を得たり売買をしていたら、一筋縄ではいかない
株式の売買をしている場合も「合計所得金額」の判定の際に間違いをしやすいのでご注意を!
まず、
・配当所得のうち源泉分離課税されるものや、
・源泉徴収選択口座を通じて行った上場株式等の譲渡による所得等で確定申告をしないことを選択したもの
は「合計所得金額」の判定の際に、その所得額を加える必要はありません!
つまり、あなたの配偶者や親族がかなり株式の売買や配当で設けていたとしても、配当を申告せず源泉分離課税としたり、株式の譲渡については源泉徴収口座で申告不要とすれば、扶養家族のままでいられる!というわけです。これは知っておきたい「暮らしの税金の知恵」です。
裏を返せば、配当について総合課税で申告することを選択したり、株式の譲渡について他の口座での譲渡損益と相殺する目的で確定申告をした場合には、扶養か否かの判断の際に、その配当所得や譲渡所得を「合計所得金額」に加えて判定する必要があります。そして、申告した株式の譲渡所得については、前年以前の損失を繰越控除している場合は、控除前の所得を使って「合計所得金額」の判定をします。
非課税の所得は「合計所得金額」に加えないで!
最後に、所得税法で「非課税」とされている収入は、「合計所得金額」に含める必要はありません。
よくある収入の例でいうと、失業保険や遺族年金です。
(前編)(後編)のまとめ
・控除対象配偶者や扶養家族の判定に使う「合計所得金額」イコール、収入ではない。
・分離課税の所得がない人は、まずは確定申告書B��(確定申告書A�ァ砲粒曠ぅ魁璽襦峭膩彌蠧清盂曄廚塙佑┐討茲�
・退職金や分離課税の譲渡所得がある場合は、次の金額が「合計所得金額」
確定申告書B��(確定申告書A�ァ法楝狄�所得+譲渡所得(特別控除前、損失の繰越控除前)
・源泉分離課税とした配当や、源泉徴収口座で申告不要とした株式の譲渡は「合計所得金額」に含めなくてよい
・「合計所得金額」には、所得税法で非課税とされるものを含めない。
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